チェンマイのコムローイ祭り完全ガイド

イランでカウチサーフィンを使ってみたら、熱烈なおもてなしを受けて心が温かくなった

イラン カウチサーフィン

旅に関する新たなサービスが続々と生まれている近年、“現地の生活に溶け込む旅” ができると話題の『カウチサーフィン』。

私は、イランで初めてこのサービスを利用したのですが、「イラン旅の楽しみの半分以上はカウチサーフィンでできている」といっても過言ではないくらい最高だったので、今回はその様子をリポートしたいと思います。

カウチサーフィン(Couch Surfing)とは?

カウチサーフィンは、インターネット上の無料国際ホスピタリティー・コミュニティーで、

  • 宿泊先を探している旅人 (ゲスト)
  • 宿泊場所を無料で提供することのできる現地の人 (ホスト)

を結びつけるマッチングサービスのことです。

Couch Surfing

いわゆる “無料ホームステイ” のようなもので、ホテル泊では決して得ることのできない、“現地の生活に溶け込む旅” を体験することができます。

日本ではさほど浸透していないのですが、とりわけ欧米人に大人気のサービスのようです。

~Airbnbとの違いは?~

カウチサーフィンの類似サービスとして、Airbnb (エアビーアンドビー)という民泊サービスをご存じの方も多いかと思いますが、

いちばんの違いは「宿泊に対価 (費用) が伴うかどうか」という点で、ゲストは運営会社を通してホストに宿泊代金を支払います。

Airbnb

※2020年5月追記:新型コロナの影響で運営が財政難となり、(事実上) 有料化されました。料金体系は、月払いが170円 / 月、年払いが1,000円 / 年です。

 

イランでカウチサーフィンを利用しようと思った理由

元々「民泊」に興味があった私は、数年前からAirbnbにユーザー登録をし、ヨーロッパを中心に10回以上利用した経験があります。

カウチサーフィンの存在は前々から知ってはいたのですが、あえていつもAirbnbのほうを利用していました。(※その理由は後ほど)

イランを旅する上で、「今回も民泊したいな~」と思った私は、さっそくAirbnbサイトをチェックしてみたのですが、該当件数ゼロという検索結果に撃沈(笑)

イラン Airbnb

ネットで調べていると、どうやらイランではカウチサーフィンのほうが活発に利用されているらしく、かつ、数々の旅行者のブログで大絶賛されており、「これは試してみるしかない!」と思ったからです。

MEMO

カウチサーフィンの運営団体はアメリカですので、政府によるネット規制があるイランにおいてはサイトが閲覧できないはず・・・なのですが、多くのイラン人がその規制をくぐり抜けており、多数の登録者がいます。

 

イランでお世話になったホストファミリー

私は、「カシャーン」「エスファハーン」「シーラーズ」の3都市で、3組のホストファミリーにお世話になりました。

私は女性なので、すべて女性ホストを選びました。

  • 1組目:父+(ホスト)+娘
  • 2組目:父+母+3姉妹の娘(ホスト)
  • 3組目:父+(ホスト)+息子2人

出発の2~3週間前に私のほうからリクエストを送り、マッチング後はWhatsApp (ワッツアップ)というメッセンジャーアプリで連絡を取り合ってました。

MEMO

日本で最もメジャーなLINEは海外ではあまり使われておらず、イランではWhatsAppが主流です。

イランの公用語はペルシャ語ですので、英語が全く話せない人も多いのですが、

カウチサーフィンはサイトそのものが英語なので、必然的に英語が話せるイラン人が集まります。

私の3組のホストも、全員英語が堪能でした。(むしろ私の英語がしょぼすぎて悲しくなるレベルw)

 

イランでカウチサーフィンを使うメリット

メリット①:熱烈なおもてなしを受ける

イランに行くべき5つの理由」の記事でも触れましたが、イラン人はゲスト(旅行者)をもてなすのが大好きな国民性なので、カウチサーフィンとの相性は抜群です。

私にとってはイランが初利用なので、他国と比較することはできませんが、

ホスト側の善意 (ボランティア)で成り立つカウチサーフィンは、イランでこそ、その真価を発揮すると思います。

「無料で宿泊できるゲスト側のメリットは分かるけど、ホスト側のメリットってなんやねん」

と疑問に思う方もいらっしゃると思いますが、

イランの場合、おそらく “国際交流” と目的としているホストが大半なのではないかと推測します。

約190ヶ国にビザ無しで渡航することができる “魔法のパスポート” を持つ日本人にとっては、あまり実感が沸かないかもしれませんが、

イラン人が海外へ行く場合、大半の国でビザを取得する必要があります。

さらにそのビザが発給される要件も厳しく、多くのイラン人は自由に海外に行くことができません。

ですので、世界中の旅行者を受け入れることで国際交流を望む人々が、多数いらっしゃるのだと思います。

国際交流

余談ですが、私が以前の旅行でカウチサーフィンではなくAirbnbのほうをあえて選択していた理由は、

Airbnbは宿泊に対価 (費用) が伴うので、そのぶん “おもてなし” の質が高いのではないか

という思い込みがあったからです。

でも、初めてカウチサーフィンを利用してみて、一概にそうとは言えないな・・・と思いました。

というのも、Airbnbの場合、ホストは民泊を “ビジネス”として捉えている人も多く、

顧客対応がしっかりとしている一方で、ゲストとの交流に重きを置くかどうかは、ホストによってだいぶばらつきがある印象です。

つまり…

  • Airbnb:ホストは「あなた」を “お客様” として受け入れたいと思っている。(※どちらかといえば「ホテルオーナー」と「宿泊客」の関係に近い)
  • カウチサーフィン:ホストは「あなた」という “人” に興味を持って受け入れたいと思っている。

交流”という観点でみれば、カウチサーフィンの方がずっと濃厚で有意義な体験ができたと感じています。

(もちろん、イランというお国柄も要素として大きいとは思いますが)

メリット②:ホストとマッチングしやすい

前述の通り、カウチサーフィンは宿泊に対価が発生しません。

ですので、このマッチングサイトは圧倒的にゲスト側の利用者が多いです。

もちろん、ホストには宿泊者を選ぶ権利がありますので、リクエストを送っても承認されるとは限りません。

ゲスト側は、プロフィール文やリクエスト文に工夫を凝らしたりと、“自分” を売り込む営業活動を行う必要があるのですが、

とりわけ物価の高いヨーロッパは、限られたホストに多数のゲストが殺到するため、20件以上リクエストを送っても全滅、・・・なんてことも日常茶飯事と聞きます。

しかしイランにおいて、マッチングのハードルは他国と比べて限りなく低いと思います。

というのも、イランを訪れた日本人が驚くことの1つとして、

ちょっと話した程度の関係のイラン人(同性)から「このあとウチ来る?泊まっていきなよ!」と言われる “イランあるある” があるのですが、

こんな出来事が起こるのはおそらくイランだけで、カウチサーフィンを使わなくても、家に泊めてくれる人が見つかる可能性は大いにあり得るレベルです。

実際、私もバスや鉄道で隣の席だったイラン人女性に、「あなたはいつまで〇〇(都市名)に滞在するの?今日はどこかに泊まるの?」と聞かれることが何度かあり、

もし「いやー、実はまだ今日の宿が見つかってないんだよねー」と言おうものなら誘われそうな雰囲気が漂ってはいました(笑)

さすがに、宿泊リクエストの承認率100%・・・とまではいかないものの、イランでは比較的容易にホストを見つけることができました。

MEMO

旅行者のブログを読んでいると、カウチサーフィンのことを、「宿泊費がゼロになってオトク!」といったような、 “無料” の部分を全面的に押し出して紹介されている記事を多数見かけます。

もちろんそれが間違っているわけでは無いのですが、無償で寝床を提供してくださるホストの方々の気持ちになって考えると、旅行者の一方的な都合で利用してしまうのが、一番やってはいけない事だと思いました。

メリット③:イラン文化の真髄に触れることができる

私にとって、イスラム圏でのホームステイはイランが初の経験でした。

イランの家の造り・暮らしは、意外にも日本と共通する部分が多数あり、これもホテル泊では知り得ない発見でした。

イラン 一般家庭

イラン 一般家庭

家の中でも靴を脱がない風習の国が多い一方、イランは日本と同じく室内は土足厳禁で、玄関で必ず靴を脱ぎます。

▼日本のコタツにそっくりな暖房器具

イラン コタツ

▼ベッドではなく布団で寝る

イラン 布団

▼昭和の時代を思い起こさせる和式トイレ (わたし平成生まれだけど笑)

イラン トイレ

滞在中の食事も提供され、朝と夜はホストファミリーと一緒に食べました。

面白いのが、イランのお宅にはテーブルと椅子が備え付けられているにもかかわらず、どの家庭でも食事はテーブルを使わずに床に座って食べるスタイルでした。

▼床にソフレと呼ばれるシートを敷いて、食べ終わったらシートごとまるめて捨てます。

イラン 食事スタイル

同じイラン人のお宅でも、各家庭で微妙にルールが異なっていたりして、その違いを楽しんだり、とにかく驚きと発見の連続でした。

メリット④:異文化交流ができる

ホストとゲスト間の “国際交流”・“異文化交流” は、ホスト側のメリットであると同時に、ゲスト側のメリットでもあると思います。

無料で泊めてもらう身として手ぶらで訪問するわけにもいかないので、交流グッズお土産を日本から持参しました。

イラン 文化交流

ゆかり

お菓子は完全に私の好みです(笑)

イランは日本に対して好意的な超親日国なので、ホストファミリーは日本の文化に興味津々。

▼定番の折り紙

イラン 折り紙

▼訪れた時期が年末年始だった為、お正月は福笑い

イラン 福笑い

日本のお土産と共に、ホストファミリーもとても喜んでくれたようで、持参した甲斐がありました。

こちらとしても、お世話になったホストの笑顔が見れるのは嬉しいものです。

メリット⑤:街を案内してもらえる

街案内に関しては、ホスト側の忙しさ (仕事・家事) に左右される為、あまり期待せずに行くのがよいとは思いますが、

私のホストは、観光プランの相談に乗ってくれたり、地元の人しか知らないローカルなお店・スポットに連れて行ってくれたりしました。

▼旅行者が使いこなすのはなかなか難しいローカルバスに乗車 (私以外は全員現地民)

イラン 市バス

▼配車アプリ「snapp (イラン版のUBER)」でタクシーよりお安く移動 (ペルシャ語しか対応しておらず難易度高め)

イラン snapp

また、ひとりでは出歩きたくない夜の時間帯も、ホストと一緒ならば安心して外出できました。

▼夜は女4人でドライブ

イラン 夜のドライブ

ハイテンションな音楽がガンガンに流れ、車内がクラブ状態に(笑)

 

イランでカウチサーフィンを使うデメリット

デメリット①:事前に家の立地や部屋の様子が分からない

これはイランというよりカウチサーフィンそのものの仕様の問題なのですが、

ホストを検索する際、カウチサーフィンには「地図検索機能」がありません。

マッチング前の段階で、ホストの詳細な住所が分からない点はAirbnbも同じなのですが、Airbnbではざっくりとした位置くらいは知ることができます。

▼Airbnbの地図検索画面

Airbnb 地図検索画面

Airbnbとカウチサーフィンには、「宿泊に対価が伴うかどうか」という点 以外にも下記のような決定的な違いがあり、

  • Airbnbは “部屋” が主体
  • カウチサーフィンは “人” が主体

” に重きを置くカウチサーフィンでは、ホストの “部屋” に関する情報がかなり限られており、

部屋の写真を公開していないホストも多く、その場合は直前まで部屋の様子が分かりません。

ホストの人柄については、過去に宿泊したゲストのレビューを読めばある程度は推測できるのですが、

ホスト宅の設備面立地については、ある意味 運ゲー 的な要素があります。

▼Airbnbの検索画面 (部屋の写真でアピール)

Airbnb 検索画面

▼カウチサーフィンの検索画面 (ホスト自身の写真でアピール)

カウチサーフィン 検索画面

また、ホテルとカウチサーフィンを比較したデメリットとして、

ホテルは街の中心部繁華街等の便利な場所にあることが多いですが、

“リアル民家” に泊まるカウチサーフィンの場合、ホストの家は郊外の閑静な住宅街にある(=中心部から離れている)ケースも多いので、「立地重視」の人には向いていないと思います。

デメリット②:稀にお金を請求されることもある

カウチサーフィンの規約 (Couchsurfing Policies) では、ホストとゲスト間での金銭のやりとりが明確に禁止されています。

ところが、稀に金銭を要求してくるホストがいることも事実です。

費用

実際、私も3組中1組のホストからお金 (1泊10ユーロ) を請求されました。

(※サイト上でホストを検索している際、そのようなレビューが書かれているホストを何人か見かけたのですが、私のホストのレビューはクリーンでした)

ホストの言い分としては、

「あなたにベッドを提供することに関しては無料よ。でも、料理の食材・シャワー代・暖房代等は、私たちにとって安いものではないの」

・・・とのことですが、カウチサーフィンは食費・水道料・光熱費も含めて “無料” なので、どちらにせよ規約には違反しています。

なので、私にはその要求を拒否する権利があるのですが、

ただ・・・このご家族、めちゃくちゃ歓迎してくれて、滞在中はほんとうにお世話になったんですよ・・・。

1泊10ユーロという金額も、イランの物価からしたら妥当なのか、よく分かりませんが、

規約に違反している云々は置いといて、当事者である私の脳内に、「払いたくない」という感情は生まれませんでした。

だっらもう、それでいいんじゃないかと。

ゆかり

賛否両論あるとは思いますが、ホストの要求を飲みました。
MEMO

他の2組のご家族からも、同じく熱烈に歓迎されましたが、食費等も含めてお金は一切請求されていません

3日間付きっきりで私のために時間を割き、街を案内してくださったホストの方もいて、別れ際は涙が溢れました。

初対面で見ず知らずの外国人(私)を、ゲストとしてとことんもてなしてくれて、皆とても親切で温かくて、イラン人のホスピタリティには頭が上がりません。。。

 

さいごに

旅をするならば、現地の方の暮らしに触れてみたい!と常々思っている私にとって、“現地の生活に溶け込む旅” ができるカウチサーフィンは、とても素晴らしいプラットフォームとなりました。

(今まで利用してこなかったことが悔やまれるくらいにはお気に入りです)

私の中ではリピート確定したので、今後は他の国でも利用してみたいな~と思っているのですが、

初めてのカウチサーフィンが、ゲストをもてなすのが大好きな国民性の「イラン」だとは・・・いろんな意味でハードルを上げてしまった・・・(笑)

イラン人の優しさに触れるきっかけになること間違いなしですので、旅行の際はぜひとも利用してみることをおすすめします。

あわせて読みたいイラン記事

イランに行くべき5つの理由 本当の姿を知ってほしい国「イラン」に行くべき5つの理由~親日で治安が良いって本当?~ Iran note 厳格なイスラム教徒の国「イラン」を旅して困ったこと・注意点 イラン ピンクモスク Nasir ol Molk Mosque イランが誇る光の芸術!シーラーズの「ピンクモスク」が色彩溢れる“絶景”だった

2 COMMENTS

TM

先日2年振りにイランに旅行をして来た者です。今回は2週間滞在したのですが、前回の旅行中に出会った人の家と新たにCouchsurfingで会った人の家に泊めさせてもらえました。私はCouchsurfingで100人以上ホストし、色々な国でホストされたこともあるのですが、もてなされ具合と言ったら他の国とかけ離れていると思います。家族ぐるみのもてなし(3食込み)など「何これ?俺ここにいていいの?」という経験ばかりでした。西側メディアの影響下にある日本だとあまり良い印象は受けづらいと思いますが滞在経験のある人と話をすると良い話ばかり聞くので是非多くの人にイランに行ってみて欲しいと思います。

返信する
Yukari

コメントいただきありがとうございます!
イランが親日国だというのもありますが、それにしてもイランの “おもてなし” は他の国の比じゃないですね。
私は初めてのカウチサーフィンだったので、いきなりハードルを上げてしまいました…(笑)
イランに渡航経験がある旅友で、イランのことを悪く言っている人を見たことがないですし、同じく、是非とも多くの日本人にイランに行ってみてほしいです。

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA