コロナ禍の海外旅行に関する情報を、自らの実体験を基に体系化し、日本人旅行者の役に立つノウハウ集を作りました。
この記事は、
- 直近で海外旅行に行く予定がある
- 今すぐには無理だけど、帰国後の隔離措置が緩和されたら海外旅行に行きたい
- コロナ禍の海外旅行のリアルを知りたい
そんなあなたに向けて書いています。
私のことをご存じない方に向けて、軽く自己紹介をすると、
- 旅が大好物なアラサー
- 渡航国数は50ヶ国以上
- 学生時代 (2013年) に旅ブログを始める
- 本業はWebマーケター
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コロナ禍における海外旅行のリスク
かなり重要なことなので、最初のトピックに持ってきました。
2022年3月より、日本の水際対策が大幅に緩和された影響からか、コロナ禍の海外旅行を検討している方からの質問・相談頻度が増えているのですが、
中には、『あなたそんな甘い考えで大丈夫なの?』と思ってしまう方もいらっしゃるので、まずはコロナ禍における海外旅行のリスクについて、しっかり理解してください。
先に結論からお伝えすると、特筆すべきリスクは下記です。
- 様々な面で不確定要素が多い
- 万が一コロナに感染した場合、数週間単位で予定が大幅に狂う
様々な面で不確定要素が多い
このリスクは、2021年11月のオミクロン株の出現時に痛感したのですが、日本政府がいきなり外国人の新規入国を停止したように、厳しい水際対策を取り “鎖国状態” となった国が続出しました。
当時、モロッコを旅していたとある旅インフルエンサーの方のSNSを追っていたのですが、オミクロン株の出現でモロッコが一気に鎖国し始めた影響で、モロッコ発着の多くの国際線が欠航となりました。
モロッコから脱出できるか否か、かなり危うい状況だったようでしたが、なんとかフランスまで飛び、無事日本に帰国できたようです。
コロナ初期には、海外旅行中に現地でロックダウン → 数ヶ月間も閉じ込められた、というケースを頻繁に耳にしましたが、
今後、オミクロン株よりもさらに感染力が高い or 重症化リスクの高い新変異株が突如出現して世界中で猛威を振るった場合、これに近い状況には絶対にならない、とは言い切れないのでは…と思っています。
2022年3月時点で、ワクチン3回接種で日本帰国後の隔離不要な国が増えてきましたが、仮に出発時に隔離ゼロだったとしても、帰国する頃には新変異株の出現で14日間隔離に一気に逆戻り…という可能性もあり得るのではないでしょうか。
万が一コロナに感染した場合、数週間単位で予定が大幅に狂う
大半の若者は、コロナに感染しても無症状 or 軽症で済みますが、仮に無症状で元気モリモリだったとしても、PCR検査の陰性証明書が取得できないため、国際線の飛行機に乗ることはできません。
(※ワクチンパスポートのみで入国可能な国もありますが、日本に帰国する際はPCR検査の陰性証明書が必須)
もし、日本帰国前に受けたPCR検査で陽性となった場合、陰性になるまで帰国を延期しなければならず、延泊分の費用 (隔離ホテル代など) が発生します。
コロナ感染~回復までにどれくらいの時間を要するのか?については個人差がありますが、世界保健機関 (WHO) は 中国のデータの分析を元に、回復には平均2週間かかるとしています。
そして、なんとか回復したとしても、すぐに日本に帰国できるとは限りません。
時期や路線にもよりますが、コロナ発生以来、日本到着便のチケットが取りづらい状況が続いています。
そこにはコロナ禍ならではの事情があり、日本政府から各航空会社に日本到着便の乗客を制限するよう要請が入っていることが要因の一つです。
2022年3月時点で、日本に帰国 (入国) できる人数は、1日あたり5,000人に制限されており、各航空会社に割り当てられた人数分しか販売することができません。
場合によっては、フレキシブルな航空券を購入したとしても、変更したい便が空席無し扱いで、変更が叶わない可能性もあります。
実際、私の友人は、コロナに感染したわけではないのですが、ドバイでの滞在を1週間程度伸ばしたいなと思い、エミレーツ航空のドバイ→成田便の日程変更を試みたところ、エコノミークラスは最短で3週間後しか空きが無かったと嘆いていました。
コロナから回復して一刻も早く日本に帰国したい方は、ビジネスやファーストクラスにアップグレードするか、復路のチケットをドブに捨てて別の航空会社の便を探すことになりますが、多額の費用がかかることを覚悟しておかなくてはなりません。
コロナ対応の海外旅行保険に加入した場合、隔離ホテル代、飛行機の変更代、陽性後のPCR検査代などは、補償の対象となります。
(※保険会社によって補償内容は異なる)
逆に、『健康上のリスク』という観点からみると、健康体の若者であれば、コロナはそこまで大きなリスクを付与する感染症ではないと思います。
コロナをきっかけに、私たちは健康上のリスクを強く意識するようになりましたが、世界にはコロナよりも恐ろしい感染症が多数存在します。
(例:狂犬病は一度発症すれば致死率ほぼ100%)
これらのリスクを理解し、かつ、そのリスクを受け入れられるのであれば、自己責任のもと、次のトピックで解説する事前準備をしっかりと行った上で渡航してください。
そうでない方は、それこそコロナが “ただの風邪” レベルになるまでは (=PCR検査無しで自由に国境を行き来できるような世界になるまでは)、渡航を控えるのが賢明な判断だと思います。
なお、私の場合はリモートワーク可能な仕事なので、万が一コロナに感染して滞在が伸びてしまったとしても、PCとWiFi環境さえあれば世界中どこでも仕事ができ、他の社会人の方と比べるとリスクを抑えることができているのでは…と自負しています。
SNSは旅のキラキラした一面しか見えないので、『自由に旅に行けてうらやましいです!』と言われることも多いのですが、実際はリスクを取っていますし、生半端な気持ちで旅に出ているわけではありません。
コロナ禍の海外旅行については、賛否両論あるかと思いますが、
一方で、旅の様子をSNSで発信していると、とりわけ海外志向の学生からの反響が大きく、コロナによって青春を奪われてしまった学生たちの痛みを知りました。
ゆかり
私は、感染予防対策を徹底した上で旅をする “withコロナ” のスタンスなので、
いかに感染リスクを抑えて、安全に旅をするか
その方法を、必死に模索してきました。
たしかに、上記のようなリスクはありますが、コロナ禍でも海外旅行は可能であり、私自身、
- 2021年8~9月 ヨーロッパ周遊
- 2022年1~2月 中東周遊
を経て、無事日本に帰国しました。
現状をしっかり伝えたいと思います。
出発前に準備することリスト&情報収集方法
感染リスクを極力抑えながらも、満足度の高い旅を実現するためには、事前準備がとても大切です。
体感的には、事前準備にかかる労力が、通常時の海外旅行の3倍以上。
ぶっちゃけ超しんどかったので、「リサーチの大変さ」と「旅行したい欲」を天秤にかけた際、ここで脱落する人も多いのではないかと思います。
そこで、これから旅をする方々の負担が少しでも軽減されるよう、出発前に準備することリストを作成し、
- 私の情報収集方法
- コロナ禍ならではの注意点
を併記しました。
旅慣れてくると、自分の能力を過信して情報収集を怠る人がいます。
コロナ前ならば、運良く何事も無く帰国できたかもしれませんが、ノリで海外に行くことは絶対にやめましょう。
出発前に準備することリスト
- 日本人観光客の入国可否
- 隔離の有無
- 必要書類等
- 罰則・罰金
- 行動制限措置
- 各州政府の防疫措置
→ 外務省・大使館・領事館・航空会社ホームページをチェック
- 問題無く観光できるか
- 今後ロックダウンをする可能性があるか
- 医療体制が逼迫しているか
→ 日本人旅行者のSNSをチェック
→ 現地在住の日本人の方と常に連絡が取れる状態にしておく
- 渡航先の新たな水際対策措置・行動制限措置
- 便の変更・払い戻しが可能なフレキシブルな航空券が望ましい
- 第三国を経由しない 直行便が望ましい
- 購入はお早めに
- 柔軟な予約ポリシーを提供している宿を予約する
- ドミトリー (相部屋) は避け、個室を選ぶ
- スキャンしてPDF化する
- クレカ付帯の海外旅行保険+クレカ保険で不足している補償を上乗せ
- 隔離の有無
- 帰国便の出発地のPCR検査機関
各項目の詳しい説明については、こちらの記事にまとめました
直近で海外旅行に行く予定がある方は必読ですが、そうでない方でも、知っておいて損はない内容だと思います。

コロナ禍においては、状況やルールが頻繁に変わるため、記載されている情報が古くなっている可能性があります。外務省や大使館等のホームページで、必ず最新の情報を確認してください。
現地滞在記~コロナ禍の〇〇〇は今~
このトピックでは、私が2021年夏にコロナ禍のヨーロッパを旅して感じたことを、良い部分も悪い部分も包み隠さず執筆しました。
- 観光施設・レストラン・ショッピングセンター等は営業しているのか?
- アジア人に対するヘイトクライムはあるのか?
- 海外ではどのようなコロナ対策が行われているのか?
- 衛生面で気を付けていたことは?
- コロナが理由で不便に感じたこと・困ったことは?
- コロナ禍でも海外旅行は楽しめるのか?
詳細はこちらの記事にまとめました

日本帰国に必要な書類&隔離生活レポ
2022年3月現在、日本の水際対策はかなり厳しいため、日本に帰国することは容易ではありません。
日本人が日本に帰国する場合でも、過去に 書類の不備などを理由に入国を許可されず、出発地に強制送還されてしまった事例もあります。
旅も終盤になってくると何かと気が緩みがちですが、『知らなった』『なんとかなる』では済まされないので、帰国の準備は入念に行いましょう!
加えて、帰国後の隔離生活についても触れています。
詳細はこちらの記事にまとめました

さいごに~私がこの記事に込めた想い~
ここまで読んでくれたあなたは、コロナ禍でも海外旅行を楽しめることを、実感いただけたかと思います。
とはいえ、大多数の人は、帰国時のPCR検査義務という大きな障壁が撤廃されない限り、海外旅行なんて夢のまた夢…というのが現実です。
周りは皆、海外に行きたい気持ちを押し殺して、必死に我慢している人ばかり…。
私自身、2021年夏のヨーロッパ旅行 (私にとって最初のコロナ禍旅) の出発前は、後ろめたい気持ちが拭えませんでした。
そんなとき、ドイツ在住の方から、
『ドイツは日本と違って “自粛” という概念は無く、ルールの範囲内で自由にしていいので、せっかくワクチンを打ったことですし、旅を満喫してくださいね』
というメッセージをいただき、その言葉に救われたというのか、ああ…旅をしてもいいんだなと、そこでいろいろと吹っ切れたような気がします。
* * *
日本からヨーロッパに渡り、旅の途中で何度も、自分の存在意義を自問自答していました。
SNSを通して、旅行好きな方から『先行で海外に行った人には、どんどん情報を上げてほしい』という声を多数いただいたことで、旅ブロガーとして、ある種の使命感のようなものが湧き上がってきました。
私の目線で、“今” の世界を伝えたい。
そして、未来の旅行者たちへ、情報のバトンを繋いでいきたい。
この記事を通して、海外旅行に希望の光を与えることができれば幸いです。
ゆかり
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