私が、夏の時期にポルトガルに来た理由。
それは、カラフルな傘が空を美しく染める街、アゲダの傘祭りを実際にこの目で見てみたい!という想いからでした。
SNSでその存在を知ってから、いつか行ってみたい!と想い続けること数年。念願叶ってアゲダを訪れることができました。
本記事では、アゲダの傘祭りについて役立つ情報をまとめてみました。
内容盛りだくさんなので、興味のあるトピックから読んでみてください。
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夏季限定!“Umbrella Sky Project” とは
アゲダ (Agueda) は、首都「リスボン」とポルトガル第2の町「ポルト」の間に位置する、自然に囲まれた小さな田舎町です。
そんなアゲダの一番見どころは、毎年7月~9月まで開催されている Umbrella Sky Project (アンブレラ スカイ プロジェクト)
このプロジェクトこそが、街の路地をカラフルな傘で埋め尽くすという、素敵な演出をしているのです。
元々この地域は日差しが強く、太陽の暑さを避けるために傘を使い出したのが始まりだそう。
にしても、「日差しから守る為にカラフルな傘で覆う」というアイデアがなんとも斬新です。
* * *
日本では、そのフォトジェニックな光景に焦点が当てられておりますが、このイベントは「AgitAgueda」という芸術祭の一環で、2012年より始まったものです。
期間中は、町の至るところでストリートパフォーマンスが行われたり、特設ステージでの音楽ライブが開催されたりと、多くの観光客で街全体が賑わいます。
photo by:AgitAgueda
上記プログラムは7月で終了しますが、傘のアーケードに関しては、「せっかく設置したことだし、9月までは残しとこうか~」という感じでゆる~く開催されています。
ゆかり
アゲダへの行き方・アクセス情報
まずは拠点となる港町、アヴェイロへ
アヴェイロは、公共交通機関を使ってアゲダに行くなら必ず通ることになる港町です。
まずは、拠点となるアヴェイロを目指しましょう。
バスも有りますが、鉄道で行くのが一般的です。
- リスボン → アヴェイロ:約2時間半
- ポルト → アヴェイロ:約1時間
時刻表・ルート検索はこちら>>COMBOIOS DE PORTUGAL
私はポルトからアヴェイロまで向かいました。
- サン・ベント駅 (ポルト)
↓
- カンパニャン駅 (ポルト)
↓
- アヴェイロ駅 (アヴェイロ)
ポルトのカンパニャン駅 (Campanha) からアヴェイロまで、直通の列車があるのですが、カンパニャン駅はポルトの中心部から外れた不便な場所にあります。
ポルトの市街地に一番近い駅は サン・ベント駅 (Estação De São Bento) ですので、まずは近郊列車に乗ってカンパニャン駅まで向かい、そこからアヴェイロを目指します。
(※列車によっては、サン・ベント駅からアヴェイロ駅まで乗換え無しで行けるものもあります)
アヴェイロそのものも見どころ満載の港町なので、ついでに散策してみてくださいね♪
乗り換え時間が10分~長くて2時間程度あるので、その時間を利用しても良いですし、私は帰りにアヴェイロに1泊しました。
ポルトガルの水の都「アヴェイロ」を散策♪おすすめ観光スポットまとめアヴェイロから、ローカル列車でアゲダへ
アヴェイロからアゲダまでは、列車で約35分の道のりです。2両編成の超ローカル列車でした(笑)
噂には聞いていましたが…、なんとも奇抜な外観。
ポルトからアヴェイロまでの列車が近代的な車両だったので、そのギャップに驚きです。
乗り継ぎの際に、アヴェイロの駅ホームで迷子にならないか不安だったのですが、安心してください。
ゆかり
ローカル線だからか、列車はガラガラです。確実に赤字な気がします(笑)
各駅停車なので時間はかかりますが、アゲダまで11駅です。
車窓からは、のどかな風景が広がっていました。
列車はトウモロコシ畑の間を縫うように走り、アゲダに到着します。
鉄道切符の購入方法
ポルトからアゲダまで行く場合、どの路線も普通列車なので、切符を事前に購入する必要は無いかと思います。
心配な人は、事前にポルトガル国鉄のサイト (COMBOIOS DE PORTUGAL) から予約できます。
当日購入する場合、[行き]は、出発駅の窓口で購入し、[帰り]は、アゲダは無人駅なので列車内で車掌さんから購入します。
▼ポルトのサン・ベント駅からアゲダまで、通しで買うことができます。
時刻表の事前リサーチは必須
先ほど「切符を事前に購入する必要はない」と書きましたが、時刻表は必ず調べておいたほうがいいです。
その理由として、列車の本数が少ないということもありますが、何よりも重要なのは、時間帯によって運賃がかなり異なるということです。
参考までに、これは私がアゲダに行った2017年8月17日(木)の、ポルトからアゲダまでの時刻表です。
路線は同じなのに、運賃は最安5.6ユーロ~最高20.45ユーロと、かなり開きがあります。その差はなんと約4倍!!!
私は考えるまでもなく最安の5.6ユーロ (赤色の部分) を選択。
ということで、必ず事前にポルトガル国鉄のサイト (COMBOIOS DE PORTUGAL) から時刻表検索を行い、乗りたい列車に目星をつけておきましょう。
ポルトから日帰りで行く人は「最安」かつ「乗継ぎ時間」を加味すると、おのずと本数が限られますので注意が必要です。
アヴェイロでの乗り継ぎ時間が少ない列車を選べば、ポルトから約2時間弱で到着です。
ちなみに、アヴェイロ←→アゲダ区間のみ乗車する場合は、どの時間帯でも一律で2.15ユーロなので、そのへんは気にしなくとも良いです。
ただ、列車の本数が、時間帯によっては2時間に1本と極めて少ないので、あらかじめ調べておくにこしたことはないですね。
町歩きが楽しい♡アゲダの歩き方
さて、辿り付いたアゲダの駅は無人駅。どうやら、ものすごい田舎に来てしまったようです(笑)
しかも、駅前だというのにお店も全然無いですし、賑わってる感はゼロ。
まずは町の中心部へGO!
アゲダの町はこじんまりとしているので、主要エリアは徒歩で十分周れますが、町の中心部は駅から少し離れています。
駅前から続く通りを南に、まっすぐ坂道を下っていくと、10分~15分ほどで川へとぶつかります。
その手前が町の広場になっていて、傘が浮かんでいる商店街 (メイン通り) へと繋がっています。
町中のあちこちに散らばっているアートを探しに、足の向くままに散策してみるのも楽しいですし、
ひとつひとつのアートを見逃したくないという方は、川沿いに観光案内所があるので、そこでアートスポットが記載された地図を手に入れることをオススメします。
ゆかり
地図を見てもらえば分かる通り、傘が浮かんでいるのはごく一部の限られたエリア (赤い部分) です。
大量の傘が舞うメイン通りは、地元の小さな商店街で、インスタ等のSNSでよく見る場所だと思います。
見上げるとカラフルな傘が一面に。とにかく圧巻の光景!
頭上に、まるで傘の花が咲いているよう…♡
ゆかり
通常 青空では使わない傘が、ここまで青空に映えている場所は、果たして他にあるのでしょうか。
傘のアーケードはメイン通りの1本だけではなく、周辺のいくつかの道にも浮かんでいます。
また、それぞれの通りによって、設置されている傘の種類が異なります。
▼こちらの通りは、透明なビニール傘に装飾が施されています。
「太陽の強い日差しを防ぐため」という当初の目的は完全に忘れ去られているような気もしますが(笑)、可愛いので気にしない♪
別記事で可愛い傘写真の撮影方法について解説していますので、参考にしてみてくださいね♡
カメラ好きな旅人に告ぐ!アゲダのアートフェスティバルで可愛い傘写真を撮るコツ街は傘以外もイベント仕様♡
「傘祭り」として一躍脚光を浴びたアゲダですが、見どころは傘だけじゃないんです。
このアートフェスティバルの根幹には「カラフル」という要素があるらしく、空を埋め尽くす傘に花を添えるかのように、町は色とりどりのアートで溢れています。
▼アーティスティックな見どころを地図に書き込んでみましたので、ご参考までに♡
街を歩いていてまず目に付くのが、カラフルなベンチ。
メインストリート (商店街) を始めとする様々な場所に設置されており、絵柄もレパートリー豊富!
▼ベンチに座りながら、町歩きで疲れた足を休めつつ、空いっぱいに浮かぶ傘を見上げるのが最高♡
▼階段もカラフルなペイントが施されていて可愛い♡
▼シュールな傘の柱たち
▼傘と自転車のオブジェ
▼ウォールアートも♡
ゆかり
アゲダは住民参加型のアートフェスティバル
ここに来る前、AgitÁgueda公式サイトで、ライブ会場に大量のパリピが集まっているイケイケな写真(笑)を見てきたので、
私の中では、アゲダは若者たちが多く住む「活気のある町」なのかと勝手に思いこんでいました。
しかし、実際に訪れてみると むしろ高齢者の方も多く、「地方の静かな田舎街」といった印象を受けました。
メインストリートの商店街も、お世辞にも活気のある通りとは言えず、昔から続くお店が立ち並んでいる感じです。
洋服屋、小物屋、パン屋、美容室、靴屋…等、住民が日常生活で利用するありふれた商店街が、夏の一時期だけカラフルな傘で埋め尽くされるのです。
* * *
商店街の各々のお店は、傘祭り用のグッズを販売しており、例えば小物ショップは傘のマグネットを、パン屋さんは傘の形をしたパンを売っていました。
▼ペットショップ (小鳥屋さん?) では、傘のミニチュアを販売。傘を頭にかぶったおばちゃんが可愛すぎてツボ♡
▼傘模様が可愛いスクーター。これは目の前の靴屋さんがディスプレイしたものです。
▼ホステルの入口には傘のぬいぐるみ
▼このような感じに傘を吊るしているお店がたくさんあります
▼お店だけではなく、一部の民家もカラフルな傘で彩られていました
住民みんなが、何かしらの形でこのアートフェスティバルに加わっているようで、住む人たちの地元愛を感じました。
素敵な夏の午後の過ごし方
アゲダはこじんまりとした街なので、ただ上を向いて「キレイだね~♡」と歩いているだけならば、1・2時間程度で回れてしまいます。
(それがまたアットホームな感じで良いのですが。笑)
ただ、この街を単にスタスタと歩くのはもったいないと思うので、空一面を美しく染める傘たちを眺めながら、途中に休憩がてらベンチに座ったりして、のんびりと過ごすことをオススメします♡
いつ行く?アゲダのベストシーズン
これは言うまでもなく、Umbrella Sky Project (アンブレラ スカイ プロジェクト) が行われている7月~9月なのですが、
「それは分かってるけど、その3ヶ月の間のいつが良いんじゃい!(笑)」という話ですよね。
とりわけ AgitAgueda (芸術祭) が開催される7月が一番盛り上がるといわれており、特設ステージでコンサートが開かれ、様々なジャンルのアーティストたちが熱演します。
▼ライブ会場の天井にも無数の傘!
photo by:AgitAgueda
ゆかり
また、街の至るところで、ボディペインティング、大道芸、ダンス、などのパフォーマンスが繰り広げられます。
人々を惹きつけている、世界でも注目の芸術祭です。
photo by:AgitAgueda
AgitÁgueda公式サイトやFacebookページに、詳しいイベント内容が掲載されています。
公式サイトの写真を見ていると、私が8月に訪れたときと同じだとは思えないほど、賑やかで盛り上がっている感じがします。
お祭り大好きな人は、7月1日~23日 (※2017年の場合) の芸術祭の期間に行くと、より楽しめると思います。
しかし、めちゃくちゃ人も多そうなので、傘写真をゆっくり撮っていられるのかなぁ?という疑問はあります。
ゆかり
芸術祭は終了しているとはいえ、この街が一番盛り上がりを見せる時期だというのに、こんなもんなのでしょうか。
人混みが苦手な人は、あえて芸術祭の期間を外す、というのも1つのテかもしれません。
ただ、終わりがけに近づけば近づくほど、結構な確率で傘が壊れてます(笑)
これ▼はまだ傾いているだけなのでマシなほうですが、傘の骨しか残ってないのもあったりします。
ただ針金で固定されているだけなので、風が吹けば簡単に壊れてしまうのでしょう。
ゆかり
芸術祭の期間かそれ以外か、それぞれ一長一短ありますので、お好きなほうを選んでみてくださいね。
夜のアゲダとおすすめホテル・レストラン
私は、1日だけアゲダに宿泊しました。「XPT Águeda – Alojamento Local」というホテルです。
芸術祭の期間は終わっているとはいえ、まだ8月ですし、「夜もたくさん観光客がいて盛り上がってるかな~」と思っていたので、あらかじめアゲダの街に宿を予約していたのです。
しかし、日が落ちそうになると、メインストリート (商店街) のお店がバタバタと店じまいを始めました。まさに閉店ガラガラ(笑)
日中は、レストランのテラス席に人が溢れていたというのに、この静まり具合。。。
働く人のほとんどが年配の方だったので、あたりまえといえばそうなのですが。
私は、商店街のレストランのうちのどこかで、夕食を食べようと目論んでいたので焦りました。
ゆかり
そこで、宿のフロントの男性に、この時間でも営業しているレストランを聞いたところ、オススメされたのがこちらのお店です。
「TELHAS & CANECOS」という、雰囲気良さげなレストランでした。(うっかり内観写真撮り忘れました)
メインストリートから徒歩5分もかからないくらいの場所にあります。
田舎だからか、リスボンやポルト等の有名観光地と比べて値段が安いです。
私が注文した料理は、がっつりお肉とポテト、サラダ、白ご飯、パン (お通し) がついてきて、9ユーロ?くらいでした。
私は下戸なのでお酒は飲んでませんが、アルコール類もかなり安いです。
店内はほぼ満席だったので、人気店なのでしょうか。チョイスしてくれた宿のお兄さんに感謝~♡
8月の夜はこんな感じですが、7月の芸術祭期間は、特設ステージで様々なアーティストのコンサートが開かれるので、かなりの盛り上がりだそう。
photo by:AgitAgueda
ゆかり
アゲダは宿泊施設が限られているので、日帰りで行く人が多いようです。
万が一、アゲダの宿が満室になってしまった場合は、それなりに観光地化されている、
- アゲダへの拠点となる町「アヴェイロ」
- アヴェイロから鉄道で約1時間の、ポルトガル第2の町「ポルト」
の、いずれかの町から日帰りで訪れると良いでしょう。
傘祭りにピッタリ!アゲダで着たいファッションコーデ
こんなにもフォトジェニックで可愛い町に行くのだから、せっかくなので服装もオシャレしたいですよね♡
インスタの写真を見ていると、花冠をかぶっていたり、可愛いワンピースを着ていたり…と、女子のみなさまはオシャレに余念がない模様。
アゲダの場合、そもそも傘がカラフルなので、これで柄物や色物を着てしまうと、写真がごちゃごちゃしてしまうと思います。
となると、シンプルに白か黒かな、という感じですが、黒はちょっと地味だよね…と思い、私がチョイスしたのは「白色」!
▼暑い夏でも涼しく着こなせる、白のレースワンピを選びました
ポルトガルはアートな国なので、アゲダ以外の場所もけっこうカラフルだったりします。
例えば、カラフルなウォールアートと自分を一緒に撮りたいとき、あくまで主役は「アート」ですので、その主役を邪魔しない白ワンピはかなり使えました!おすすめです♡
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さいごに
ユーラシア大陸の最西端にあるポルトガルは、ただでさえ日本から遠く、アゲダのような小さな田舎町は旅のルートに加えられないことも多いかと思います。
ですが、私は「はるばるここまで来て良かった」と何度も思いました。
鮮やかな傘が空一面に浮かぶ光景は、見ているだけで幸せな気分になります。
使用される傘は、デザイン会社によって毎年考案されており、その年ごとに色合いや模様が違うので、リピーターになってしまいそうです…♡(笑)
夏にポルトガル旅行を計画されている方、またはヨーロッパへの渡航予定のある方は、少し足を伸ばして、空を埋め尽くす傘を見に、アゲダを訪れてみてはいかがでしょうか。
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