映画『カサブランカ』で有名な、北アフリカ最大の経済都市、カサブランカ。
モロッコの空の玄関口でもあり、空路でモロッコに向かう際、大半の旅行者はカサブランカから入国することになります。
私のモロッコ行き航空券もカサブランカ発着だったので、ついでに観光したい!と思って事前にリサーチをしていたのですが、
マラケシュやフェズ等の古都と比べると、“観光”という点ではイマイチ パッとしない…(笑)
一番の目玉である「ハッサン2世モスク」以外に見どころはあまり無い、とも言われるカサブランカですが、
ネット情報によると、どうやらとてつもなくカラフルな街の一角があるらしい…!
これはなんとしても行かねば!!!と思い、噂のカラフルタウンに足を運んでみました。
本記事では、ガイドブックには載ってないカサブランカの穴場を紹介します。
また、後半は旅日記も兼ねて、素敵なおばあちゃんとの出会いについて書きました。
※追記:私が旅行した2018年5月時点の情報です。現在は、モロッコ政府により真っ白に塗り替えられています。
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住宅街にひっそりと広がる色の洪水
カサブランカのカラフルタウン(勝手に命名)は、港から程近いエリアの一角にあります。
そのフォトジェニックすぎる街並みが一部の旅行者に知られており、たびたびSNSで取り上げられています。
▼どこを見渡してもカラフルです。可愛い鉢植えとの相性もバッチリ!
それぞれの通りによってテーマが異なり、壁・扉・窓にさまざまな配色が施されています。
▼この通りはピンク一色!
▼こちらは青と白。色使いがギリシャの離島っぽい♡
▼ここが、私がいちばんときめいたパステルカラーの通りです!♡配色が神がかっておる!!
▼カラフルなモロッコらしいウォールアートもたくさん!
▼不思議の国のアリスの世界
▼ミッキー!しかしクォリティーが…笑
▼ドナルドもいる!この通りもパステルカラーで可愛い♡
▼カサブランカに・・・コナン?!
▼サトシとピカチュウまで!!!
まさか、遠く離れたモロッコで「日本」を感じる瞬間があるとは…予想外すぎる!
それにしても、著作権…(笑)
* … * … * … * …*
このカラフルタウン、観光スポットでもなんでもなく、道行く人々は住民の方々ばかり。旅行者は私くらいです。
つまり、(カラフルすぎることを除いて) ここはごくごく一般的な住宅街なのです。
普通に人々が生活している場所ですので、住民の方々の迷惑にならないように気をつけましょう。
カラフルな街並みを見てテンションが上がり、私は数え切れないほどの写真を撮りましたが、住民の方々にカメラを向けないよう、撮影にはかなり神経を使いました。
というのも、イスラム教のモロッコにおいて、現地女性を撮影する行為はタブーです。
そもそも、ここは観光地ではないですし、なおさらNGでしょう。
極力、住民の方々の邪魔にならないように努めていれば、旅行者がひとりで歩いていても特に問題は無いかと思います。
むしろ住民はフレンドリーで、「ボンジュール!」と声をかけられたり、外国人に興味津々な子供たちが駆け寄ってきたりしました。
(モロッコは旧フランス領なので、英語よりフランス語が一般的)
カラフルな色と住民の方々の笑顔に囲まれて、心がほっこりしました(*´꒳`*)
旧市街で素敵なおばあちゃんとの出会い
実は、このカラフルタウンに辿り着くまでに紆余曲折あった私。
出発前に他の旅行者のインスタやブログを読み漁っていたのですが、困ったことに、調べても調べても正確な位置情報が分からなかったのです。
でも、現地に行ったときに、地元の人に聞いて教えてもらえばすぐ分かるっしょ!とタカをくくっていました。
しかし いざ行ってみると、地元の人ですら知名度が皆無で、インスタの写真を見せて視覚的に問いかけても「え?どこ?」みたいな反応ばかりが返ってきます。
人に聞くのは諦めて、いくつかの旅行者のブログで見かけた、「旧市街(メディナ)の奥深くにある」というなんとも抽象的すぎる情報だけを頼りに、必死に探しました。
でも、フェズほどではないものの、カサブランカのメディナも相当 道が入り組んでおり、旅行者にとっては難解です。
メディナの規模もそれなりに大きいので、闇雲に探し回るだけでは非効率。迷子になって終了です。
結局、この場所を知ってる人を見つけ出すしか、道はないのか。。。
そこで、売店で たった今パンを買い終えたばかりの優しそうなおばあちゃんをロックオン。
そのおばあちゃんは、英語はもちろんのこと、フランス語ですら全く話せないようで、会話はアラビア語オンリーでした。
(※なので、意思疎通はすべてボディランゲージとGoogle翻訳を使用。笑)
写真を見せても、おばあちゃんは「う~ん、分からないねえ」という反応でしたが、困り果てている私をみかねたのか、一緒にその場所を探してくれることになりました。
途中から、おばあちゃんの息子とその友人達も加わり、最終的にはなかなかの大所帯となり、全員で住民たちに片っ端から聞き込みを続けた結果、
ついに!場所を知っているという人が現れました。
ついて行くと、そこには、確かにカラフルすぎる世界が広がっていました。
「やったね!!!見つけられたね!」と、全員で喜びを分かち合いました。
正確に時間を計ったわけではないのですが、おそらく30分以上もの時間を私のために費やしてくれた、おばあちゃんとその家族。
私も、日本にいるときはよく道を聞かれたりするのですが、(もちろん自分の知ってる範囲で丁寧に教える)、
もし自分が逆の立場だったら、赤の他人の為に ここまでのことをしてあげられるのか、正直自信ないです・・・
本当に本当に感謝しかなかったので、お別れの際、チップを渡そうとお札を取り出しました。
するとおばあちゃんは、首を振ってお金は受け取らず、ニコッと笑ってその場を立ち去りました。
* … * … * … * …*
そもそも、モロッコは発展途上国ということもあり、お世辞にも豊かな国とはいえず、貧しい暮らしをしている人が数多くいます。
そんな状況下から、一部のモロッコ人は日本人を「歩くATM」だと思っているようで、親切を装い実はチップ目当て、というケースに何度も遭遇しました。
これは「モロッコあるある」なのですが、多くの旅行者は疑心暗鬼となり、私も例外なくそうでした。
たった数分道案内をしてもらっただけで、「チップを100DHくれ!!!50DHくれ!!!」としつこく迫られ、(もちろん頑固として払わないけど)
モロッコ滞在中は、かなり辟易してました。
100DH(ディルハム)って、日本円で約1,000円ですからね。モロッコの物価から考えると、完全に法外な金額です。
(※地球の歩き方には、「30分以内の案内なら多くて20DHで十分」と記載)
だから、私は初めは疑ったのです。
こんなに優しくしてくれるのには、何か裏があるんじゃないかと。
熱心に住民たちに聞き込みをしているおばあちゃんの姿を見て、途中から、これは純粋な親切心なんだと分かりましたが、
でも、初めは信じられなかったのです。
疑って申し訳無かったと思うと同時に、おばあちゃんからの無償の愛を感じました。
カラフルタウンを探しているとき、旧市街はすごく人が多くて、はぐれないようにおばあちゃんと手を繋いで歩いてたのですが、
生まれや人種は全く異なれど、まるで本物の祖母と孫の関係になったような錯覚を覚えました。
このおばあちゃんが、私のモロッコ旅でいちばん最後に出会った人でした。
最後の最後で、こんな素敵な出会いがあるなんて。
これだから、旅をやめられないんですよね(笑)
アクセス情報
※追記:私が旅行した2018年5月時点の情報です。現在は、モロッコ政府により真っ白に塗り替えられています。
さて、おばあちゃんのおかげで無事 目的地に辿り着くことができた私ですが、
今後カサブランカに行く旅行者向けに、カラフルタウンの正確な位置情報をバシィィィィッッッ!と載せておきましょう!(笑)
「旧市街の中にある」と記載されてあるブログも見かけましたが、厳密には「旧市街の近くにある」が正解だと思います。
▼地図上で表すとこんな感じです。
茶色で囲まれたエリアが旧市街(メディナ)で、カラフルタウンはその西側にあります。
どうりで、旧市街の中を必死に探しても見つからなかったわけだ・・・とほほ(疲)
▼赤色で線を引いた部分が、カラフルなストリートです
けっこうな数ですが、通りによってテーマが異なりますので、私は全然飽きなかったです(笑)
(おばあちゃんと別れた後に、もう一度ひとりで行きました)
時間に余裕があるならば、ぜんぶ歩いてみることをおすすめします♡
ハッサン2世モスクやカサ・ポール駅からそれぞれ1kmくらいの位置にあるので、駅からモスクまで歩くついでに立ち寄ってみるのもよいかと思います。
カサブランカに到着した足で、そのままマラケシュやフェズに向かう方もいらっしゃいますが、
ここはぜひ1泊して、カサブランカの雰囲気を味わってみてくださいね♪
※追記:私が旅行した2018年5月時点の情報です。現在は、モロッコ政府により真っ白に塗り替えられています。
管理者様
日本の旅行会社でモロッコを扱っている、松尾と申します。
モロッコ、面白い場所がたくさんあって、いいですよね。
私も心から大好きな街です。
そしてこちらのカラフルストリートもおもしろいですよね。
弊社のお客様でも、管理者様のサイトをご覧になって実際に行ってみたいと仰る方がたくさんいらっしゃいます。
しかし残念ながら、こちらのストリートは政府により今は真っ白になっております・・・
お手数ですが、こちらの記事にその旨を記載して頂くことは出来ませんでしょうか?
影響力のある管理者様のブログですので、かなりのお客様が混乱なさっており、私と致しましても、
なんとかそちらの交渉をさせて頂きたく、ご連絡差し上げた次第でございます。
お忙しいところ、大変申し訳ございませんが、どうぞご検討下さいませ。
よろしくお願い致します。
株式会社 サラムモロッコ
松尾
お知らせいただき有難うございます。
当ブログにそれほど影響力があるとは思わなかったので驚いています…。
また、その場所が今は無くなってしまったのは、私としても非常に残念です。
取り急ぎ、その旨を記事に追記させていただきました。