期間:2021/08/25~09/19 (26日間)
渡航国:ドイツ、スイス、オーストリア、カタール (トランジットのみ)
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日本発着の国際線はガラガラ
私は カタール航空 を利用して、ドーハ経由でドイツのミュンヘンに行きました。
- 成田
↓↑ ガラガラ
- ドーハ (カタール)
↓↑ 混雑
- ミュンヘン (ドイツ)
路線によって異なると思いますが、とりわけ帰国便 (ドーハ→成田) の搭乗率は1割にも満たなかったです。
ゆかり
※この画角に写っていないだけで、後ろのほうの席には乗客がいました。
航空会社にとっては死活問題かと思いますが、利用者にとっては、
- 密とは無縁の状態で、感染リスクが低い
- 1人で3~4席使用して、横になって熟睡することができる
ので、有難かったです。
ゆかり
2003年にパリに行った際も、イラク戦争の影響で飛行機がガラガラだったのですが、コロナ以前ならばありえない状況だと思います。
コロナ禍の入国審査
ドイツに行くのはこれで3回目なのですが、コロナ前とほぼ変わらず、私の場合は3分程度で終わりました。
あまりにさらっと終わったので拍子抜けしました。
- ドイツ入国の目的は?
- 滞在日数は?
- 滞在中に宿泊するホテルは?(Booking.comの予約画面を提示)
- 帰りの航空券は購入した?(Eチケットを提示)
- 陰性証明書またはワクチンパスポートを見せて
ワクチンパスポートについては、日本出発時に成田空港のチェックインカウンターでも提示を求められました。
到着国 (ドイツ) の入国条件を満たしていない乗客を乗せてしまうと、航空会社が責任を取ることになるため、出発国と到着国の両方でチェックされます。
PCR検査 (陰性証明書) については、
- ドイツ → ワクチン接種済の場合は免除
- カタール航空 → トランジットの場合は不要
だったので、出発前に検査は受けていません。
夏のヨーロッパはバカンスモード一色
私が渡欧した2021年8月は、日本の新規感染者数は1日2万人を超え、日本では国内旅行ですら自粛すべきという雰囲気が漂っていましたが、
ヨーロッパ諸国に関しては、日常を取り戻していることに加え、多くの欧米人がバカンスを謳歌していました。
例えるならば、日本の観光地が活気に沸いたGoToトラベル最盛期 (2020年10~11月) の、あの “空気感” と似ているなと思いました。
なお、ヨーロッパ諸国には日本のGoToのような起爆剤は無いのですが、過去の長期ロックダウンの反動から、今まで抑えていた旅行欲が爆発したのかもしれません。
ゆかり
観光施設・レストラン・ショッピングセンター等は通常営業
EU域内に入国した後は、現地人も外国人も行動制限措置は同じなので、外国人観光客である私も、同様に旅を楽しむことができました。
▼住民や観光客で賑わう街
ただ、今回の旅行で再訪した場所に関しては、コロナ前の状況を知っているがゆえに、コロナが現地経済に残した爪痕を実感しました。
例えば、日本人に人気のドイツの田舎町ローテンブルクは、コロナ前に訪れたお店が閉店していたり、空き店舗が増えていました。
ゆかり
とはいえ、欧米人がバンバン旅行していたこともあり、観光に関してはほぼ問題無しでした。
強いて言うならば、塔 (展望台) がクローズしていて登ることができなかったことくらいでしょうか。
逆に日本よりも自由だなと思ったのが、
- 飲食店が夜遅くまで営業している
- アルコール類も提供されている
日本の場合、地域によっては飲食店が20時で閉店、ライトアップも20時で消灯してしまったりしますが、ヨーロッパの飲食店は、わりと遅い時間帯まで営業しているようでした。
8月9月のヨーロッパは日が長く、20時くらいまで外が明るいので、観光を終えた後でもレストランが営業しているのは有難かったです。
アルコールに関しては、私はお酒が飲めないので関係無いですが、現地人は浴びるように飲んでいたので、お酒好きにとっては天国なのかもしれません。
観光地では満室のホテルも多い
ハイシーズンということもありますが、出発前に予約サイトで宿を検索していた際に、意外と満室のホテルが多くて驚きました。
今回初めて行く都市も多かったので、コロナ前の料金との差は分かりませんが、宿泊料金が安くなっているようには思いませんでした。
高速鉄道は旅行客で混雑
路線にもよりますが、高速鉄道 (日本でいう新幹線) や国際列車は、満席とまではいかないものの、2等車はかなり混雑していました。
1等車のほうが空いている可能性が高い、かつ 座席の間隔が広いので、資金に余裕のある方は1等車がおすすめです。
ヨーロッパ鉄道の1等車と2等車は何が違う?ケース別に選び方を解説団体ツアーや修学旅行も催行
観光地では大型観光バスがひっきりなしに往来し、たくさんの欧米人観光客が押し寄せていました。
修学旅行中 (遠足?) の学生集団もよく見かけました。
ゆかり
EU域内旅行も活発
陸続きのヨーロッパなので、在住者にとっては、海外旅行というより国内旅行の感覚に近いのかもしれません。
今回 私が訪れた都市はドイツ語圏なのに、頻繁にフランス語が聞こえてきたので、EU域内旅行も活発なようです。
コロナ前と同様に、一旦シェンゲン協定の加盟国内に入ると、域内は原則パスポートチェック無しで行き来できるため、陸路ならば容易に国境超えが可能です。
今回の旅行では何度も国境を越えたのですが、コロナ禍にもかかわらず、陸路は外国人観光客もノーチェックだったので、自由に周遊できるのは有難かったです。
ヨーロッパを旅するアジア人観光客の現状
アジア人観光客はほぼいない
コロナ前は、どこへ行っても中国人の団体観光客がいるのがデフォルトでしたが、アジア人観光客はほどんど見かけなかったです。
例外として、オーストリアのハルシュタットだけは、謎にアジア人観光客が多くて驚きました。
マスクを着用しているので、日本人なのか、中国人・韓国人なのか、顔だけでは判別できないことも多かったのですが、
今回の旅行で出会ったアジア人は、ほぼ全員がヨーロッパ在住者で、欧米人と国際結婚したとか、留学の合間に旅行している感じです。
私のように、日本からはるばるヨーロッパに来たケースはレアだと思います。
アジア人に対するヘイトクライムは無い
私が渡欧した2021年8月は、日本の新規感染者数は1日2万人を超えていたので、ドイツのニュース番組では「日本の感染者が今までになく増加している」と客観的に報じられていました。
そんなこともあってか、日本人に対する風当たりが強かったらどうしよう…と不安に思っていたのですが、
私自身、約1ヶ月間ヨーロッパに滞在して、アジア人差別を受けたことは一度もありません。
年始から世界一周している日本人夫婦が、「1~5月くらいまではよくあったが、ここ2.3ヶ月で急激に減った」とSNSに投稿していましたし、あまり心配しなくてもよいと思います。
日本から旅行で来たと分かると対応が変わる or 冷遇されることも無く、「Have a nice trip!」と笑顔で声をかけてくださった方が多かったです。
ちなみに、私の旅行期間はパラリンピック真っ只中だったのですが、現地の人からその話題を振られたのは一度だけだったので、日本人が思っているほど、海外の人はオリパラに関心が無いのかもしれません。
- ドイツのパン屋で何故か私のクレカが使えず、支払いに戸惑っていたら、隣で会計していた男性が、サッと私の分も払ってくれた。
- スイスでレストランのオーナーから呼び止められ、立ち話をしていたら仲良くなり、スイーツをご馳走になった。
ゆかり
ヨーロッパ諸国のコロナ対策
こんなこと言ったら不謹慎と思われるかもしれませんが、コロナ禍を日本でしか過ごしたことのない私にとっては、
- 現地の人々はどのような暮らしをしているのか
- 海外ではどのようなコロナ対策が行われているのか
メディアが報じる情報ではなく、自分の目で確かめに行きたい、という思いがありました。
ゆかり
約1ヶ月間滞在してみて、様々な気づきがあったので、下記にまとめました。
基本的なコロナ対策は日本とほぼ同じ
日本のコロナ対策は、独自で考案しているのか、海外のコロナ対策をお手本にしているのか、そのへんはよく分かりませんが、
ヨーロッパの基本的なコロナ対策は日本とほぼ同じでした。
▼ソーシャルディスタンスを促す掲示
▼屋内で密を避けるための人数制限 (駅のチケット窓口。自分の番が来るまで外で並んで待機)
▼お店の入口付近にはアルコール消毒液
▼スタッフと客の飛沫感染を防止する透明アクリル板
▼レストランで客同士の飛沫感染を防止するパーテーション
▼ビュッフェで料理を取り分ける際は、マスクに加えてビニール手袋を着用
逆に、日本と異なる点は、
- 入店時の検温が無い (※国によってはしっかり検温されるらしい)
- トイレのハンドドライヤーが使える
でした。
マスク着用義務
国によってルールは異なりますが、例えばドイツの場合、屋内では医療用のマスクの着用義務があり、違反すると最低50ユーロの反則金が課せられます。
布マスクやウレタンマスクはNGでした。
▼基本的に白色ですが、カラフルな医療用マスクも販売されています。
▼着用すると、烏天狗のようなとんがり嘴
ゆかり
マスクの着用率は、国によって差があり、
【屋内】ドイツ:ほぼ100%、スイス:50%、オーストリア:30%
【屋外】三国共通して10%
※統計を取ったわけではなく、あくまで私の肌感です
オーストリアでは、ホテルやレストランにマスクを着用して入店すると、店員さんから「ここではマスクを着用しなくてもいいのよ」と言われることが度々あったので、
この言葉から想像するに、
- 欧米人:政府やお店のルールに従ってマスクを着用している
- 日本人:感染予防のために自主的にマスクを着用している、周りの目が気になる (同調圧力)
ゆかり
ワクチンパスポートがなければ、まともに旅ができない
コロナ以前と変わらないくらい、自由に旅行できるヨーロッパ諸国ですが、それはワクチンを接種しているという条件の元に成り立っています。
2021年8月時点では、ヨーロッパ諸国は日本よりもワクチン接種が進んでおり、希望者の大半が接種を完了している状態でした。
そのフェーズまでいくと、未接種者≒ワクチンを打たない選択をした人なので、未接種者に圧をかけてくる感じです。
国によってルールは異なりますが、
- レストランの店内飲食
- 宿泊施設等の利用
等には、ワクチン接種証明書 または 陰性証明書の提示が義務付けられており、
陰性証明書の場合、
- PCR検査 (到着の48時間以内に実施)
- 抗原検査 (到着の24時間以内に実施)
する必要があります。
▼ミュンヘンのショッピングセンター内にあるコロナ検査場
随時コロナ検査を受けて陰性証明書を発行する手間を考えると、ワクチンパスポートがなければ、まともに旅ができない感があります。
逆に、ワクチンを接種すれば自由に旅行できるため、私にとっては大した問題では無かったです。
ゆかり
・・・ここまでは、日本のネットニュースやテレビ番組等で報じられているため、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、実態は少々異なってました。
例えばドイツの場合、証明書の提示義務は法律で決められているはずなのに、ぶっちゃけ半分以上はノーチェックでした。
ドイツ在住者曰く、過去のロックダウンの影響で、約40%のレストランや宿泊施設の経営状態が芳しくなく、店側としてはあまり厳しくやりたくないという心情があります。
警察ではないので、民間人にルールを遵守させるには限界があるようです。
今回のヨーロッパ旅行は、ほとんど田舎町を巡っていたので、都会ではもっと厳しめにチェックされると思います。
唯一の都会だったミュンヘンが、最もコロナ対策を徹底していました。
また、イタリアやフランスはかなり厳しめにチェックされるそうなので、同じヨーロッパでも国によって大きく異なります。
衛生面で気を付けていたこと
基本的には国内旅行とほぼ同じで、マスクを着用するのはもちろんのこと、こまめに手洗いや消毒をしていました。
個人的に最も気をつけていたのはレストランで、飲食時はどうしてもマスクを外さなくてはいけないので、場合によっては感染リスクが高まります。
日本の飲食店と比べると、飛沫感染を防止するパーテーションが無い店も多く、
- できるだけ混み合う時間帯を避ける
- できるだけテラス席を利用する
- テイクアウトを利用する
ようにしていました。
▼気温的にも、テラス席が快適な季節♪
ゆかり
コロナが理由で不便に感じたこと・困ったこと
これはあくまで私の場合なので、参考程度に留めておいてください。
マスク越しの声がこもる
医療用マスクの生地は厚く、隙間なく顔に密着するデザインなので、他のマスクと比べると声がこもります。
かつ、相手側には私の口の動きが見えないので、コロナ前と比べて会話の内容が相手に伝わらず、非ネイティブスピーカーにとっては大変でした。
ゆかり
アルコール消毒による手荒れ
なんとしてもコロナに感染したくなかったので、携帯用の消毒ジェルを持ち歩いたり、お店の備え付けの消毒ジェルでこまめに除菌していた私。
しかし、夏にもかかわらず、とにかく手が荒れる…!!
一時期は老婆のようなガサガサの手になってしまったので、毎日ハンドクリームを塗ってケアしてました。
前にドイツを訪れたときは冬だったのですが、ここまで荒れることはなかったので、おそらくアルコール消毒が原因な気がします。
ドイツで殺菌効果有と謳っている消毒ジェルは「火気厳禁」の警告がついてるので、燃えるくらいアルコール度数が高いようです。
実際、消毒ジェルを手に塗った直後に鼻を近づけると、顔をしかめたくなるくらい強いアルコール臭がするので、肌が弱い人はアルコール消毒ではなく手洗いに全集中したほうがいいかもしれません。
コロナ禍のヨーロッパ旅行の満足度
よく「コロナ禍でも海外旅行は楽しめますか?」という質問を受けるのですが、国を選べば十分可能だと思います。
ヨーロッパは多くの欧米人がバカンスを謳歌していたこともあり、「旅行は自粛すべき」「旅行=悪」のような空気感は皆無。
コロナ禍で初めて、心から旅を楽しめたような気がします。
また、出発前の旅の期待地が低かったため、その期待を越えてきたときの驚きが、旅の満足度を押し上げてました。
これまでの「あたりまえ」がコロナによって覆され、感動のハードルが下がっていたからか、
- 現地の空港に飛行機が降り立ったら感動 (というか感涙)
- 入国審査をパスできたら感動
- ホテルにチェックインできたら感動
- レストランに入店できたら感動
- 街をぶらぶら散歩するだけでも感動
- 現地の人のちょっとした親切に感動
ゆかり
私の場合、想定以上に満足度が高かったです。
大きなトラブルは無く、強いて言うならば、ドイツ鉄道でストライキがあったので困ったことくらいでしょうか。
コロナ禍ということもあり、かなり神経を使ってましたが、滞在中の大変さでいうと、コロナ前の南米旅行のほうが10倍くらい疲弊しました(笑)
コロナ禍の最初の海外旅行は、先進国 または 治安の良い地域を選び、身体を慣らすのが良さそうです。
「そんなに長期でお休み取れるんですか?」という質問をいただくので、私のお仕事についても触れておきます。
本業はWebマーケターで、2021年8月までフルリモート勤務の会社員をやってました。
同じくWebマーケターの弟が、9月に起業してWebマーケティング会社を立ち上げたので、今は弟の会社にjoinして働いています。
ヨーロッパ旅行中もリモートで働いていて、晴れの日 → 観光メイン、雨の日 → 仕事メイン、という感じでした。
リモートワークが可能な職種ならば、働きながら旅をすることができますし、帰国後の隔離も問題無いです。
周囲の理解を得ることさえできれば (これがなかなか難しいですが…)、会社員でも海外旅行に行くことは可能だと思います。
ゆかり
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