本記事では、スマホユーザーの大多数が利用しているであろう LINE の、意外と知られていない通話機能をご紹介します。
「WiFi環境さえあれば、海外でもLINEで無料通話ができることくらい知ってるんだけど?」
…という声が聞こえてきそうですが(笑)、それはあくまで双方がLINEを利用しているという条件での話です。
ですので、「固定電話」や「LINEを利用してない携帯電話」に電話をかける場合、この無料通話機能を使うことはできません。
でも、安心してください!
LINEには、超格安に国際電話ができる、LINE Out (ラインアウト) という便利な機能があります。
実際にメキシコ旅行で使い勝手を確かめてきたのですが、想像以上に大活躍だったので、海外旅行に行く予定のある方は必見ですよー!
まずは公式サイトをチェックしておきたい!という方は、こちらから詳細を確認できます LINE公式サイト
もくじ:タップで該当箇所にジャンプ
LINE Out (ラインアウト)とは?
まず前提として、LINEには3種類の通話機能が搭載されています。
- 無料通話 LINEユーザー同士が無料で通話できる機能
- LINE Out LINEユーザー以外 (固定電話・LINEを利用してない携帯電話) と有料で通話できる機能
- LINE Out Free 電話利用前に提携会社の広告動画を最後まで見ると、LINEユーザー以外と無料で通話できる機能
LINEの無料通話は、LINEユーザー同士であれば無料で通話ができることから、多くの方が利用しているおなじみの機能です。
また、WiFi環境さえあれば、海外でもLINEユーザー同士の無料通話が可能です。
しかし、LINEの無料通話は双方がLINEユーザーである必要があり、例えば固定電話に電話をかける際、この機能を使うことができません。
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その点 LINE Out は、電話の受け手がLINEユーザーでなくても音声通話が可能となります。昔は「LINE電話」という名称でした。
日本国内はもちろんのこと、WiFi環境さえあれば、海外でも携帯・固定電話を問わず通話が可能です。(※LINE Out 対応国に限る)
LINEユーザー同士の無料通話機能とは異なり、通話料金がかかりますが、1分あたり数円~高くても数十円程度です。
また、電話利用前にLINEの提携会社の広告動画を最後まで視聴すると、その微々たる通話料ですら無料になってしまう、LINE Out Free という機能もあります。
無料通話の制限時間は通話先の国によって異なり、1分~5分です。(※制限時間を超えた場合、通話が強制終了します)
LINE Out・LINE Out Freeの対応国・通話料金をチェックしたい方は、LINE公式サイトですぐに確認できます
2019年5月より、一部の国でサービスが終了しました。
- インドネシアで発信および着信サービスを終了
- 中国、シンガポール、韓国、スペイン、フランス、香港、ベトナムで着信サービスを終了
- カンボジアで新規コールクレジットの販売を終了
- ドイツで着信サービスを終了
- カンボジアで発信および着信サービスを終了
※最新の情報は、お知らせ (LINE公式サイト) で確認してください
私は、海外で LINE Out・LINE Out Free の両方を利用してみましたが、
LINE Out Freeは、制限時間を超えると途中で電話が切れてしまうこともあり、有料のLINE Out のほうが使い勝手が良いと感じています。
LINE Out の料金形態・プラン
LINE Outには、3種類のプランがあります。
- コールクレジット 利用する金額を前もってチャージするプリペイド式。使用期限は、購入から180日間 (※iPhoneのLINEアプリから購入した場合は無期限)
- 30日プラン 通話先が特定の国に限定され、決められた時間まで通話可能。使用期限は、購入から30日間。
- LINEコイン Androidユーザーのみ
各プランの詳細は、LINE公式サイトをご覧ください
これは使い方にもよりますが、一般的な旅行者は、自由度の高い コールクレジットを選択するのが無難かと思います。
LINEアプリからだと 240円 (240クレジット) から購入できます。
ゆかり
もう1つの 30日プランは、コールクレジットよりも通話料金が安いので、頻繁に長時間通話する人にとってはオトクなのですが、
使用期限が短く、通話先が特定の国に限定されるため、1つの国に長期滞在する人向けのプランかと思います。
▼例えば、特定の国として「台湾」を選択した場合、台湾にしか電話をかけることができません。
LINE Out のメリット
ここからは、LINE Outのメリットについて解説します。
メリット①:通話料がとにかく安い
個人的には、これが最大のメリットだと思っています。
LINE公式サイトの 国別料金表 を見て頂いたら分かる通り、最も安い国で1分あたり1円という驚愕の安さです!!!
ドコモ・au・ソフトバンク等のキャリアの国際電話料金と比較すると、その差は歴然です。
ゆかり
▼国際電話料金比較表
LINE Out (コールクレジット) | ドコモ | au | ソフトバンク | |||||
固定電話あて | 携帯電話あて | 滞在国内 | 日本あて | 滞在国内 | 日本あて | 滞在国内 | 日本あて | |
台湾 | 2円 | 12円 | 75円 | 175円 | 70円 | 175円 | 70円~115円 | 175円~290円 |
タイ | 6円 | 75円 | 175円 | 70円 | 175円 | 70円~75円 | 170円~195円 | |
アメリカ(本土) | 1円 | 125円 | 140円 | 120円 | 140円 | 125円 | 140円 | |
イギリス | 2円 | 3円 | 80円 | 180円 | 80円 | 180円 | 75円~110円 | 175円~260円 |
横にスクロールしてご覧ください
(※2019年8月時点、1分あたりの料金、海外からiPhone7を使って電話をかける場合)
格安のLINE Outですが、超マイナーな地域では1分あたり100円を超えるケースもあります。(例:南極 160円)
念のため、下記公式サイトで訪れる国の通話料を比較してみましょう。
メリット②:WiFi環境さえあれば、いつでもどこでも通話可能
そもそもLINE Out とは、LINE社が提供するIP電話サービスのことで、050で始まるIP電話もその類の1つです。
IP電話は、電話回線ではなくインターネット回線を利用して通話をするため、海外においてはWiFi環境さえあれば、いつでもどこでも通話可能です。
(※LINEユーザー同士の無料電話も、同じくインターネット回線を使用します)
メリット③:意外と良品質通話
一般的に、IP電話は通話の品質が落ちると言われていますが、LINE Outを実際に利用してみて、特にストレス等は感じなかったです。
会話にタイムラグがあったり、途中で切断されたり…といったトラブルもほどんどありませんでした。
おそらく、通話の品質を左右するのは、LINE側の仕様というより、現地で利用するWiFiの質が重要だとは思うのですが、何にせよコスパは最高です。
メリット④:利用手続きがカンタン
LINE Outは、LINEアプリの中のサービスの1つですので、新たにアプリをインストールする必要はありません。
スマホを人並みに使いこなしている人ならば、5~10分程度で設定完了できると思います。難しい操作はありません。
また、iPhoneユーザーの場合、支払いは Apple IDでサインイン後、App Store からクレジット決済されるので、カード情報の入力も不要!
既にスマホに入れている通話アプリから、ちょっと手続きするだけで利用可能、というのは嬉しいですね♪
LINE Outの詳しい使い方については、こちらの関連記事をご覧ください
【画像付き】通話アプリ「LINE Out」の使い方・設定方法を徹底解説!
LINE Out のデメリット
ここからは、LINE Outのデメリット編です。
デメリット①:発信はできるが、着信は受けれない
電話をかける際、相手が電話に出られなかった、というケースもあるかと思います。
通常の電話の場合、着信履歴を元に相手側から折り返し電話をもらうことができますが、LINE Outにおいては、着信を受けることはできません。
あくまで、こちら側から一方的に電話をかけるサービス、と理解してください。
ゆかり
デメリット②:非通知発信となり、相手に番号が通知されない
IP電話という性質上、初期設定のまま通話を行った場合、着信時に相手側には「非通知」と表示されてしまいます。
設定画面から電話番号認証を行うと、非通知発信が解除されるのですが、通話先の相手がドコモ端末の場合 (ドコモ系SIMも含む)、認証を行っても非通知表示となってしまいます。
ゆかり
確実にメリットのほうが大きいサービスかと思います。
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では、ここで一旦復習もかねて、LINE Outの特徴を、LINE無料通話と比較しながら下記にまとめてみました。
無料通話 | LINE Out | LINE Out Free | |
通話できる相手 | LINEの友達 | 固定電話・LINEを利用してない携帯電話 | 固定電話・LINEを利用してない携帯電話 |
料金 | 無料 | 有料 | 無料 |
通話時間 | 無制限 | チャージ分 | 1分~5分 |
発着信 | 両方 | 発信のみ | 発信のみ |
横にスクロールしてご覧ください
旅先で大活躍!LINE Outの具体的な利用シーン
ここまで LINE Out の素晴らしさについてアツく語ってきましたが(笑)、
「そもそも海外で電話をかけることなんてあるの?」と疑問に思われている方に、私が過去に経験した通話例をいくつかご紹介します。
海外でIP電話を利用し始めてかれこれ何年も経つのですが、毎回 非常に助けられたといっても過言ではありません。
(※IP電話サービスはSkype社が先駆者的な存在だった為、LINE Outが登場する前は、Skype電話を利用していました)
利用シーン:海外 → 海外
- 飛行機が遅延し、ホテル到着が深夜になりそうな予感。メールだと読んでもらえない可能性があった為、ホテルにその旨を電話した。
- 田舎すぎてタクシーが常駐していなかったので、現地のタクシー会社に電話して、隣町からタクシーを呼び寄せた。
- 往復でタクシーを予約していた際に、運転手と待ち合わせ場所を決めてはいたが、いざ行ってみると、同じような車が多すぎて自分のタクシーがどれか分からず、運転手の携帯に電話した。
- スカイダイビングをする際、ダイブできるかは天候に左右されるため、集合時間の30分前に現地催行会社に電話し、決行されるかの確認を取れと言われた。
利用シーン:海外 → 日本
- 飛行機に乗り遅れそうになったので、日系航空会社のコールセンターに電話した。
- スマホを持ってない家族に、生存報告目的の連絡をした。
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また、コールクレジットプランの場合、「日本→日本」という利用方法も可能なので、日本国内で日常使いするのもアリですね!
1チャージ 240円という、さほど高くない金額ですので、とりあえずチャージしておけば、いざという時にとても役立ちます。
LINE Outとセットで使うとさらに便利なサービス
前述した通り、海外でLINE Out を使用する際にはWiFi環境が必須です。
このWiFi環境を確固たるものにする為にも、旅先にポケットWiFiをレンタルしていくことをオススメします。
もちろん、現地のフリーWiFiでも通話は可能ですが、私の経験上、海外で電話をかけたくなる瞬間って、緊急時であることが多いんです。
例えば、あなたが海外旅行中に財布をスラれてしまったとします。
その場合、一刻も早く「クレジットカード会社」に電話して、カード利用を止めないといけません。
また、海外で事件・事故に巻き込まれた際は、急いで「保険会社」や「大使館」等に電話をする必要があります。
ただし、LINE Outは警察・消防・救急などの緊急機関への通話は不可です。
トラブルに見舞われた時ほど、いつでもどこでもネットが使える環境の有難みを感じます。
私自身、「LINE Out」と「WiFiレンタル」はかなり相性が良いと感じており、セットで使うと LINE Outの良さを最大限に発揮できます。
もちろんLINE以外にも、オンラインでしか使えない様々なアプリ・機能を活用し、効率的に旅をすることが可能です。
海外WiFiレンタルの基礎知識・選び方に関しては、こちらの関連記事をご覧ください
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